参考書を「まわす」勉強方法〜高校英語

受験勉強、資格取得の勉強などに限らず、参考書や問題集で勉強するとき、「まわす」という表現がよく使われます。
まわすとは、どういうことでしょうか。

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まわすとは?

まわすとは、端的にいえば、同じ参考書や問題集を何度も読んだり解いたりすることです。具体的には以下です。

<参考書の場合>
1.1回まわす:わからないところがあっても、読み飛ばして、とにかく最後まで読みます。
2.2回まわす:ふたたび、最初から読みます。
3.これを繰り返します。具体的には、3回、4回とまわしていきます。

<問題集の場合>
1.1回まわす:わからない問題があっても、最後まで問題を解きます。
2.2回まわす:ふたたび、問題集の最初から解きます。
3.これを繰り返します。具体的には、3回、4回とまわしていきます。

この「まわす」という方法は、受験勉強、資格取得の勉強などで、よく用いられています。

「まわす」は、優れた勉強方法

まわす勉強方法が、なぜ一般的に広まっているのかというと、おもに以下の3点で優れた勉強方法だからです。

1.全体像をつかむことができるので、理解がはやくなる
2.記憶の観点からみても優れている

まずは1ですが、地図があれば道に迷わないのと同じで、勉強も地図があればドンドン理解が進みます。では、勉強における地図とは、何なのでしょうか。
それは、参考書の全体像のことです。
全体像がわかっていれば、「今、何のために何を勉強しているのか」などがわかるようになるので、ドンドン理解が進みます。
というわけで、まわす勉強方法ですが、ザッと読むことで、参考書の全体像をつかむことができるので、ドンドン理解が進みます。

次に2ですが、人は忘れる生き物です。たとえば単語10個ずつ毎日覚えていって、1年で3650個に達したとしても、そのほとんどを忘れてしまいます。
その点、まわす勉強方法だと、忘れにくくなります。なぜ、そのようにいえるのでしょうか。
まわす勉強方法だと、一気に参考書の全ページを読みます。つまり、1回まわすのにはそれほど時間がかからなくて、読み終わった後は、なんとなく参考書の内容を覚えています。その状態で、ふたたび、参考書を読むので、記憶が定着しやすいのです。だから、まわす勉強方法で学習すれば参考書の内容が忘れにくくなるわけですね。

このように、まわす勉強方法は、2つのメリットがあります。
しかし、デメリットもあります。
どのようなデメリットなのかというと、「飽き」です。
人はすぐに飽きてしまう生き物ですので、同じ参考書や問題集を何度も読めばいいとわかっていても、飽きてしまうのです。
あと、参考書によって、まわす勉強方法が合わないものもあります。
具体的に説明します。

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まわす勉強方法が合う参考書、合わない参考書

参考書には、以下の種類があるのでした(文法の参考書の種類)。

(1)高校英語で学習する文法のうち、一部が、わかりやすく丁寧に解説されている参考書(講義タイプ)
(2)辞書のように、あらゆる文法項目について解説している参考書(辞書タイプ)
(3)「まとめ」の参考書

まず(1)ですが、まるで授業をうけているような、丁寧な解説で、わかりやすいものが多いですから、わざわざ、まわす必要はありません(もっとも、そのような、わかりやすい参考書を選ばないといけませんが)。講義タイプの参考書は、小説を読むように最初から読んでいくといいでしょう。

次に(2)ですが、辞書のタイプの参考書のページ数は非常に多いです(大体、500ページほどあります)。しかも、あらゆる文法の項目を解説しているため、1つ1つの説明は不十分です。だから、よほど英語学習が好きな人を除いて、辞書タイプの参考書で文法を学習していくことはお勧めできません。というわけで、辞書タイプの参考書も、まわす勉強方法が向かないといえます。問題集を解いて、わからないところがあったとき、調べるのに辞書タイプの参考書を使うといいでしょう。

最後に(3)ですが、これが、まわす勉強方法と最も相性がいい参考書といえます。
ちなみに、(1)から(3)以外に、問題集も、まわす勉強方法と相性がいいです。

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